2月27日の日記

2006年2月27日
■幡ヶ谷「不如帰」へ。
味玉そばを。

あー。滋味深い。いい出汁だわ。
うまいなーこれ。

あっさりだけどコクがある和風スープに
そこはかとなく加わるはまぐり出汁。
これがクセになる系。
麺の絡み具合もまたいい感じ。
800円ナリ。

次は塩かな。


■読了:高村薫/晴子情歌

上下巻。
やっと読んだ。
ある母と子の物語。

昭和の死。
そして、ぬらぬらした身体感覚の死。

血液で繋がれ、体液に満ちた社会から
電網に繋がれ、脳味噌が一人歩きしていく社会へと
僕達の生きる世界は変わっていく。
その下にある身体は何も変わらないまま。
その結果、脈々と日本人の中に受け継がれる、
暴力的な衝動に満ちた何ものか、
鬱積していく何ものかを置き去りにしたままで。
そんな印象を受けた。

それはまるで答が出ていないまま反射で、
脳味噌ではなく、脊髄で書かれた小説のようで、
考えた結果ではなく、理屈でもなく、
でもどうしようもなく体が先へ先へ動いていく、
その衝動に任せて紡がれた物語のようで、
そんな言葉の密度に押しつぶされそうになりながら、
それでも必死に文字の並びを追っていく。
噛み締めるように、本を一口一口読み進めていく。
そして、爆発した言葉の洪水に飲み込まれた後に来る
ここにしかない圧倒的な読後感。
読書の醍醐味。

東京タワーの奥にあるもの。

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